東部カナダ鉄道紀行

VIA鉄道の終着地 有名なシタデルを擁する大西洋への玄関口



ケベックからハリファックスへ


モントリオール-ハリファックス間をまる一日かけて走る
長距離列車「オーシャン号」は何とケベックには来ない

セントローレンス川対岸の「シャーニー」に停まるのだ
ケベックからシャーニーへシャトルバンもあったが
カナダパスが利かず別料金($10)を取られる

それで上り列車で一つ手前の「ドラモンドビル」
まで戻ってオーシャン号を捕まえることにした

偶然接続がとても良かったので
VIA窓口のおばさんもしきりに感心してた
(一度買ったシャトルの切符をキャンセルした)
一夜明けて列車はマリタイム地方に入る

ニューブランズウィック州を経てノバスコシア州へ
途中の「モンクトン」と言う街で結構な人が降りた

そこは「プリンス・エドワード島」への入り口だそうだ

「赤毛のアン」(読んでない)で有名な島らしく
日本人の女性観光客が非常に多いらしい
海が見えたらそこはもうハリファックスだった


ハリファックスは大西洋に突き出した半島の上に
建設されたノバスコシア州の州都

カナダではイギリス人が最初に築いた街である
ついにVIA鉄道の終点ハリファックスに到着

バンクーバーからの走行距離は約5500km



駅ホームの感じも函館駅にそっくりで驚く
VIAハリファックス駅

長距離バスターミナルも兼ねている

背後には豪華な「ウェスティン・ホテル」が聳える
(函館の「棒二森屋」と配色がそっくりなのは考えすぎか)
港に面したハーバーウォークを歩く

世界の他の港街と同じように
ここも港湾施設が老朽化してしまい
ウォーターフロントの再開発がなされて
荒廃していた水辺が親水空間として蘇った
港街らしく帆船が数隻係留されている


残念ながらカナダ10セント硬貨の裏に描かれている
超有名な「ブルーノーズ号」は何故かいなかった

ドックにでも入っているのだろう

灯台の美しい島を撮っていたら突然ヘリが…

海軍の基地でもある港

港の縁に沿ってハーバー・ウォークは続く

対岸のダートマスの街

総て板張りのハーバー・ウォーク

新旧のビルが混在するダウンタウン
タグボートの艦隊が停泊中

ちょっと圧巻だった
「アケーディア号」

ヨーロッパからの移民船のようだった
タグボートの観光船「セオドア・…(忘れた)」

子供には受けるだろう
対岸のダートマスへ行くフェリー


(ダートマスへは時間がなくて結局行けず)

海に面したフードコートで昼食

港街での定番フィッシュ&チップス+コールスロー
再開発された地区「ヒストリック・プロパティズ」

かつて海賊が略奪品の倉庫として使っていた
古いレンガ造りの建物を再生してオフィスや
レストランや各種ショップ等に活用している

姉妹都市の函館にも似たような
地区があったと記憶する

やる事は何処もみな同じだ
ヒストリック・プロパティズの外観
「グランビル通り」のショッピング・モール


この時は平日の昼なのにほんど人影がない

この奥にある屋内型のモールには沢山人がいた

この街も他のカナダの街と同様冬の寒さを考慮して
建物同士が通路で結ばれていて屋外に出なくても
迷路のようにいろんな場所に行ける構造になっている
「グラン・パレード」という市の中心にある広場

広場に面してビクトリア様式の市庁舎が立つ
広場を挟んで市庁舎の対面には「セント・ポール教会」

カナダでは最古のプロテスタント系の大聖堂
ジョージア様式のノバスコシア州議事堂

ダウンタウンの高いビルは総て銀行
建物に描かれた帆船の壁画
「オールド・タウン・クロック」

いまやハリファックスのシンボルとなっている
200年以上時を刻み続けている時計台


この背後が「シタデル」だ
函館にはやはり近代的城郭の「五稜郭」があり
その所縁で姉妹都市になったんだとか聞いた



シタデルの周囲の急な坂をよじ登っていく
城攻めのような心境を味わう

敵軍はこのような感じで城を攻めるのであろう
シタデルの入り口はダウンタウンとは正反対にあって徒歩ではなかなか近づきがたかった
シタデル城内(ガイド本には入場料$5とあったが、いつの間にか無料で入ってしまっていた)
アルバイトの大学院生が衛兵の衣裳でガイドを務める
シタデル変遷の模型


シタデルは最初から現在のものであったのではなく
徐々に整備されてきた歴史を持つ
当初はフランス軍に対抗するものだったが
後にアメリカ軍の攻撃に備えて強化された


現在でも(観光のため)修復しているようだ
城壁の上に上がってみる


五稜郭のある函館とは姉妹都市なのだが
ここは五稜郭とは異なって長方形の四稜郭だ

城壁の上から見た城内

城外を眺める
冬季に凍ってしまうと敵の侵入が容易になるため堀に水は入れなかったそうだ
堀の中におりてみた




この後、死ぬほど寒かったので早々と退散する
大西洋海洋博物館
通常$8もする入場料が
火曜日の5時半からだと無料になる

何とこの日は偶然にも火曜日だったのだ

で、当然5時半から入館

シタデルと共に入場料がセーブできてHappy!
館内にはお決まりの船の模型がそこかしこに展示


ここの売りは「タイタニック号」のギャラリー

当船はハリファックス沖約1100kmで沈んだため
遺留品の一部がこの街に持ち込まれたのだ

郊外には亡くなった人たちの墓もある



どうでもいいことなのだが
「タイタニック号の最後」という本を読んだのは
儂が小学校2年生くらいの時で
大変感銘をを受けた

タイタニック号のデッキ・チエア

船内の壁の一部に施されていた彫刻

階段の手摺柱の一部

沈没の瞬間の模型
当館のもうひとつの目玉は1917年に起きた
「ハリファックス大爆発」の写真や遺品類


ハリファックス沖で2船が衝突して一方に積んでいた
砲弾やトルエン等に引火して大爆発を起こした大事故

この爆発により街の大半が一瞬にして壊滅した

人類が起こした爆発では広島の原爆以前では
最大級のものと言われている
爆心から5km先まで跳ばされてきた船の舵の一部分
海洋博物館の外観と屋外展示物

メープル街道の東端ハリファックスを再び列車で後に
車窓からは大西洋のセント・ローレンス湾に沈んでいく
長くて真っ赤な尾を引く特異な夕陽が拝めた


(隣の婆ちゃんが「こんなの見た事無い」と言っていた)



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